ありの初穂のゲームブログ(原神)

原神考察、情報まとめ。モンド大好き。最推しはジン団長。2024/2/18再度改名 ワイン大好き。

【原神】魔神任務 序章(モンド) 考察・感想

 原神メインストーリー序章(モンド編)の考察記事となります。 メインストーリー序章はゲームのチュートリアルとしての側面も強い序章ですが、初回プレイ時によく分からなかった事柄や不思議に思った台詞等について、その後ゲームをプレイして各キャラクター伝説任務やキャラクターストーリー、プロフィール等をひと通り読みこんだうえで独自に解釈した考察と感想となります。

※このような考察・感想の趣旨であるため、本文は最新バージョンまでのストーリー、全キャラクタープロフィール、ボイス等の全ての内容を踏まえての内容となります。この点はご注意ください。

具体的には以下の項目となります。

  • 魔神任務 (投稿時 Ver.2.7まで)
  • 各キャラクターの伝説任務(特にディルック、ジン、ウェンティ)
  • 各キャラクターのプロフィール(特にジン、ディルック、ウェンティ、ガイア、リサ)
  • ゲーム内の表記物、書籍、武器・聖遺物のストーリー全て

※また、ゲーム以外の要素として公式サイトの漫画の中身にも触れていきます。

目次

  1. モンド 序章での勢力図
  2. 時系列整理
  3. 気になる発言を考察1
  4. 気になる発言を考察2
  5. メインキャラ三人の関係性とそれぞれの「自由・責任・信頼」
  6. 残された謎と感想

モンド 序章での勢力図

 序章での勢力図をおさらいします。序章では元四風守護だったが自らの役目を放棄して風魔龍へ堕ちた「トワリン」を巡り、暗躍するスネージナヤ使節団「ファデュイ」、そしてトワリンを呪いをかけたアビス教団と対立します。旅人はモンドに訪れ半ば巻き込まれる形でモンドのキャラクター達と出会い、至宝「天空のライアー」を手に入れてトワリンと接触、ウェンティが浄化を試みますがこれは失敗し、最終的には風魔龍と闘う中で旅人にある「浄化」の力でトワリンを元に戻す、というストーリー展開です。
 旅人とパイモンは中盤から主に、西風騎士団代理団長ジン、アカツキワイナリーのディルック、吟遊詩人のウェンティとともに行動します。

時系列整理

気になる発言を考察1

 序章を読み直すと、ディルックの発言に不思議な点がいくつか見られます。まずは、以下の三つのディルックの台詞から、プレイヤーである旅人が知りえない裏の出来事を考察します。

 ①は酒場でジンと出会うシーンでのディルックの台詞です。この時、メタ視点だとプレイヤー=旅人は直前にジンと比較的会話をしているので、この発言自体がややシュールに感じてしまいます。また、その後「旅人をこんな早く信用するなんて」と二人してお互いを理解してなさそうな言い合いをしたり、ジンの「先輩」発言を旅人が指摘すると双方黙り込み気まずい空気になったりするシーンは非常に印象に残ります。しかし、手前の①の発言の方が現在、ディルックが「自分はジンと個人的に接触できる」と旅人に発言していて、二人の過去よりも今の比較的重要な関係性を仄めかしているように思います。
(余談ですが「だから先輩はやめろ。今回は協力すると決めている。」(第二幕 舞台裏の話より)の二つの文章の間には、原文である中国語では「也罢」、英語では「Never mind.」入っている事から、本来の訳は「だから先輩はやめろ…まぁいい。今回は協力すると決めている。」となり、先輩呼びをそこまで怒ってません。日本語版は先輩呼びをかなり嫌がっている印象を受けるうえに文章の繋がり方も若干おかしいため、翻訳ミスかもしれません)
 ②は①の後、ウェンティにジンを説得してもらおうとするもので、プレイヤーとしてはジンに「頑固」というイメージはあまり無く、しかも「団長」としてのジンではない発言の直後に「頑固な団長様」とくるのでこちらもシュールです。ただし、彼が台詞を言った理由は必ず存在するはずなので、風魔龍の件で、ディルックにはジンを説得出来なかった何かがあり、そのせいでジンを「頑固な団長様」と言ったのではないかと推測されます。
 そして③に関しては、最終決戦の作戦時での発言ですが、ジンは東風の龍であったトワリンを擁護したい気持ちは本編内で語られますが、「戦いたくない」という発言までは確認されません。この点については、(ゲーム本編外で)ジンが直接ディルックに話したという事が考えられます。
 以上の3点から、
ジンとディルックは、序章 第二幕の酒場での呼び出し以前に、風魔龍の件で少なくとも一回は二人きりで会って話をしている
事が推測されます。
(二人きりの理由は、もし同席するとしてもリサ・ガイアしかおらず、リサをわざわざ呼ばないだろうし、義兄弟の確執を考えるとガイアについてはディルックが断る事が想像されます。二人の関係性を暗喩するかは怪しいものになりますが、アカツキワイナリーには恋愛小説「少女ヴィーラの憂鬱」の第7巻が屋外裏手に、第8巻がエルザーのいる机の上にあります。この本はジンのキャラクタープロフィール内で愛読書であろう記述があります。エルザーの場所は本来ディルックの仕事机と推測され、置いてある第8巻は所謂ボーイズトーク回です。また、ジンと親しいリサが、多忙な中でディルックと会っている事は彼女の正直な性格故に知る可能性は高いと思われます。その場合、リサの「ディルックについて」の項目での、「もっとふさわしいおしゃべりの相手」とは、普通に考えれば義弟のガイアと思われますが、ジンを示す可能性も高くなります。)


 多くのプレーヤーは序章ストーリーを終えた後に知る事になると思いますが、伝説任務夜梟の章やキャラクタープロフィールなどで、ディルックはモンドの脅威を裏から排除する使命を持っていて、独りで毎晩行動している事が言及されます。この背景と風魔龍での二人の話合いについて考えると、2人が会話した流れはおそらく図のようになり、ディルックは率先して風魔龍討伐をしようとしていたのではないかと推測されます。ゲーム展開を考えれば、最終的には旅人の力によってトワリンを救えたので良かったのですが、本来モンドに色々な脅威が迫る中で「脅威の根幹である風魔龍を対処しない」という選択は、話合いの時間軸においては相当な悪手です。これは策というよりも「四風守護であったトワリンをモンドの民が倒す」という事を悲しむジンの懇願に近いものだと考えられます。ディルックが考えを改めるように説得するのは当然の流れですが、ジンが頑なに意見を変えなかったため最終的には(おそらくモンド郊外の被害拡大により破棄という条件付きで)渋々承諾したものと思われます。ゲーム本編での言動だけを考えるとジンがこのような行動をとる事はあまり考えにくいのですが、裏を返せば、トワリンを討伐するという事実がジンを相当追い詰めるものだったために、二人の話合いではディルックが討伐しないよう出来る限り制止させ、しかし風魔龍を倒すしか道が残されていない場合はジン自ら討伐する覚悟を決めていたことが伺えます。

気になる発言を考察2

 序章モンド編でのディルックの台詞に関して、一部かなり難解な印象を受けます。その理由として、モンドにあるキャッツテールの掲示板ではディルックが書いたであろう記述を読むことができますが、そこで彼は使命のために自身の感情を押さえつけている事が類推される独白があり、(これはVer.1.6「真夏!島?大冒険!」のイベント内でガイアも似たような事を語ります)、序章の台詞はその影響を多大に受けているためだと考えています。彼は本来優しい性格をしている描写が至る所で見え隠れしており、ジンに対しても(当人は厳しい先輩と評しているが)、前述した話合いでの対応含めてジンについて相当甘い対応をしているようにも思います。それを踏まえて、序章での台詞は彼が本当は何か言いたかったのかを考察します。一番分かりやすいのが、星拾いの崖でウェンティが天空のライナーを弾く直前の台詞です。

 ディルックは騎士団を基本褒めないのでこの発言自体がジンにとっての賛辞であると取れますし、プレイヤーは騎士団のメンバーと探索しその時ディルックはガイアと会っているので騎士団について話すのはそこまでおかしくはないですが、この場にいるのは「旅人(とパイモン)、ウェンティ、ジン」です。消去法で本来はジンに対してのものである可能性が高いです。したがってこの台詞の意訳はジンに感謝を示す言葉、つまり「ジンも来てくれてありがとう」になります。個人的には(これくらい普通に言えば良いのでは?)とも思いますが、前述の通り彼は感情を出さないようにしているので、「騎士団」という言葉を用いて相当発言を迂回させている事が推測されます。このように、妙に他人行儀な台詞に変化させている台詞はかなり多く、特にガイアとジンに関して特に顕著だと思われます。膨大な発言数と変換には彼の感情についての憶測が入るため割愛しますが、簡単に言えば、一見よく分からない他人行儀な台詞は感情が押えつけた結果の産物であり、台詞の解釈には本来あった感情を類推するプロセスが必要ということです。

メインキャラ三人の関係性とそれぞれの理由「自由・責任・信頼」

 トワリンとの最終決戦の前に、三人がこの風魔龍の件に携わった理由「自由・責任・信頼」が話題になります。これと三人の関係性を考察します。

 まずウェンティの「自由」ですがこの解は単純で、苦しむトワリンに風神から言われた守護という束縛に縛られない真の自由を与えます。また、ディルックの「信頼」は台詞では旅人向けて秘密を共有してくれたので信頼で返したと言いますが、もちろんウェンティにも信頼を返しましたし、ジンにも信頼を返す事で最終的に協力関係を得ることができました。そして、「ウェンティとディルックの協力だけで風魔龍問題は解決したのでは?」と思うプレイヤーは多いと思いますが、前述したトワリンに対するジンの思いと風魔龍被害が甚大である事を考えると、裏側だけで対処して後処理すること自体が難しいため、やはりジンの「責任」という理由は納得できます。(ちなみにジンが同行しないで解決する結末は原神セレベンツでのファデュイとの案件で実際起きており、こちらに関してはディルックとガイアが一芝居と後始末をして特に問題は起こっていないと思われます)。
 また、ウェンティが風神となったエピソードには二人の祖先であるグンヒルド家、ラグヴィンド家が関わっており、(原神は神話および歴史の中の因果に対して、プレイアブルキャラクターの人間関係やストーリー展開にかなり関わりを持たせるような事をしていると思いますが)、もちろん今回もこの祖先と風神との繋がりもあると思いますが私はこの点についてはあまり重要でないと考えています。それよりもこの三人を結ぶ繋がりは序章内でも度々触れられる故人の英雄、初代獅牙騎士/蒲公英騎士でありウェンティの友人でもあるヴァネッサだと推測します。
 序章内でウェンティからジンへの直接的な協力はみられませんでしたが、二人にはヴァネッサという共通の繋がりがあります。キャラクターストーリーでウェンティはジンがヴァネッサに似ていると話しており、二人とも彼女を象徴する風立ちの地の巨木によく訪れます。ジンは基本的に他人を頼る事があまり出来ない性格ですが内に秘めた迷いなどをこの場所で話すシーンが見受けられるので、ウェンティがそれを聞いて陰ながら手助けをしたいと思ったのではないかと推測します。
 ウェンティからディルックについても、実はヴァネッサとのつながりがあるように私は考えています。ヴァネッサは晩年天空の島へ昇り鷹となって世界を見守るという描写がゲーム内ストーリーや原神セレベンツであります。一方、ディルックは命ノ星座が夜梟で鳥の種類が違うと思われがちですが、好感度で得られるディルックの名刺には「灼熱の燃える鷹」と表現されたり、雪隠れの翼のストーリーで「闇を守ったはぐれ者の赤い鷹は夜梟の名を背負った」との記述から、ディルック=夜梟=はぐれ者の赤い鷹が成立しますし、鷹になったヴァネッサと同様にモンドの為に独りでいる姿と合致します。 また、やや飛躍した憶測となりますが、ゲーム冒頭で貰える書籍「森の風」では四風守護の説明が西風の鷹のみ「西風騎士団」とかなりあいまいな表現をされている点がひっかかっていて、実は「西風の鷹は、騎士団とは異なる立場でモンドを守護する存在」が裏の意味としてあるのではないかと個人的には予想しています。ゲーム内の武器や聖遺物、アイテムのストーリーでモンドの歴史の中でそのような裏の組織がある点はほのめかされていますし、なぜ書籍「森の風」でその記述がないかと言えば、禁書ならともかく一般書籍で四風守護に裏の組織の存在があった、などと記述される事は無いと思われ、便宜上、西風騎士団というあいまいな記述に落ち着いたのだと思われます。そう考えるとディルックもモンド防衛の重要な要素であることがモンドの成り立ちという要素からも補強されます。

残された謎と感想

 最後に、序章モンドでのエピソード中で結末が語られてない話が一つだけあります。それは、「第二幕 紛失した涙」での半年前にあったディルックとファデュイとの確執、東風の神殿から盗掘された風神の息が残った小瓶の争奪戦です。未だにお互い本物を見つけてないままなのでもしかしたら今後話がでてくるかもしれません(貴重な遺物という表現はあったので悪用されないといいのですが…)
 漫画「原神セレベンツ」にてモンド上空には恐らく旅人の大目的に関わる天空の島がある事がわかっているので、メインストーリーで再度話題にされるのではないかと考えており、また、現在語られなていない大団長ファルカの大遠征の目的やトワリンに毒血を与えた魔龍ドゥリンの遺骸が存在する不気味なドラゴンスパイン等の様々な謎について言及されるのではないかと考えています。今後のストーリー展開に期待したいとしつつ、新しい国やエリアを巡る旅人の冒険を一緒に楽しんでいきたいです。